七夕と言えば笹の葉飾り。
短冊に願いを込めて織姫と彦星の1年に一度の逢瀬を思い、
習い事の上達を願う伝統行事です。
他の伝統行事には甘酒や雛あられといった食べ物をお供えしたりしますが、
七夕にはそうした食べ物を供える風習が見受けられません。
本当に七夕には食べ物と縁がないのでしょうか?
古くからの歴史を振り返りながら七夕と食べ物(行事食)
について考えてみましょう。
七夕の行事食と由来は?
そもそも、七夕の由来を調べると、
鎌倉時代初期には「そうめん」を食べる風習があったそうです。
古くは後醍醐天皇の時代までさかのぼり、宮中でそうめんの原型である
「索餅(さくべい)」をお供えしたという記述が「延喜式」にあります。
その理由は、疫病を払うためともいわれ、当時流行った熱病を鎮める
ために宮中行事として取り入れられた、とされています。
当時の「索餅」は文字通り、餅のような形をしていたとも言われ、
後に食べやすい麺類の「そうめん」にとって代わられたのでは
ないかと考えられています。
夏の暑い時期に涼しいそうめんで身体の火照りを冷まし、
熱病からの災厄を逃れたかったのかも知れません。
また、一説には「そうめん」を糸に見立てて、機織りの象徴である
織姫にちなんだという説もあります。
糸を操る可憐な織姫にあやかって、白く清らかなそうめんを
お供えするのも暑い夏を涼しく過ごす生活の知恵かも知れません。
七夕の料理レシピをご紹介。
では、七夕にふさわしいそうめんのレシピをご紹介しましょう。
夏ですから涼し気なメニューが人気だと思います。
ふつう、そうめんは茹でた麺をそれぞれの器に麺つゆで頂くのが一般的です。
ここは一工夫してみました。
まずは、「冷だしそうめん」です。
茹でたそうめんを大きめの器に盛り、冷たい出汁をかけます。
ここで出汁には鳥ベースの出汁を使うとさっぱりといただけます。
彩りにトマトや錦糸卵、中華風にハムやキュウリを乗せれば出来上がりです。
簡単なのでお昼のメニューにいかがでしょう。
次は、スタミナをつけたい時のそうめんメニューです。
そうめんの上から出汁をかけるのは同じですが、
上に載せる具に一工夫します。
夏の定番野菜、オクラ、スタミナ源となるトロロをすりおろし、
さらに納豆をかけて、一気に食べて下さい。
オクラ、納豆、トロロのネバネバ成分が夏バテしやすい身体に効果的です。
そして、変わり種を2つ。
「スパイシーカレーそうめん」はいかがでしょう。
冷たいばかりがそうめんではありません。
茹で上げアツアツのそうめんに、スパイスの効いた
あっついカレーをかけて召し上がれ。
夏の暑い時期にあえて熱くて辛いものを食べて汗を流し、
新陳代謝を促しましょう。
最後は目で楽しむそうめんです。
そうめんを大きな平らな器に盛ります。この時、盛り方に一工夫。
そうめんを「天の川」に見立てて盛り付けるのです。
銀河のように両側に星形にくり抜いたニンジンなどの野菜や、
キレイに切ったタマゴをのせれば天の川を挟んで向かい合う
織姫と彦星の出来上がりです。
お子さんとあれこれ会話しながら盛り付けても
料理の時間が楽しめると思います。
キャラ弁の要領でユニークな発想が楽しいそうめんを演出します。
まとめ
七夕に関する料理のレシピをいくつかご紹介しました。
七夕と料理というと今まで結びつかなかったかも知れません。
古来からの行事食として、その由来を学ぶ事で今の生活に取り入れ、
現代の食卓を彩る料理に応用出来ると思います。
日本の伝統行事である七夕をこれからも食事や行事に取り入れ、
豊かな生活を楽しみたいものです。