夏になると屋台が並んだり、にぎやかな音楽と一緒に盆踊りがやっている・・・
という光景に参加したことのある人は割と多いのではないでしょうか。
私も小さい頃、お祭りが好きで盆踊りにも参加しました。今ではその土地も家が
建ってしまって、どこで盆踊りをしているか今は知りません。そんな盆踊りにはどんな
歴史や由来があるのでしょうか。今回は盆踊りの歴史やマナーなどを紹介いたします。
盆踊りの歴史と由来は?
盆踊りの歴史は500年ほどにもなる深いもので、
その起源は平安時代中期までさかのぼります。
念仏をひろめる方法を考えた「空也」という僧が、ひょうたんを叩きながら
メロディーをつけた念仏を唱え、多くの人に覚えてもらうために行い、
その念仏に踊りを合わせるようになったことを【念仏踊り】と言うようになりました。
この念仏踊りが盂蘭盆会と結びつき「盆踊り」へと変わっていったのです。
しかし鎌倉時代に入ると、この盆踊りが仏教の意味合いよりも
「民俗芸能」として娯楽的な要素を強くしていきます。
鎌倉時代から南北朝時代に入る80年もの時間をかけて盆踊りは確立していき、
安土桃山時代から江戸時代にかけて、歌舞伎や浄瑠璃などの伝統芸能が産まれると
各地での盆踊りの原型ができました。
そして江戸時代にはいると、盆踊りは地域の人の交流、男女の出会いの場
として趣旨が変わっていったのです。
しかし、あまりにも男女の出会いでの風紀(特に性的な事に関して)が
乱れてしまったため、明治時代には警察の取り締まりが行われます。
その後、大正時代から再び農村の娯楽として奨励され、
再び日本各地で盛り上がりを見せました。
今でも豊作祈願や、自然への感謝をあらわす機会としても盆踊りが
使われていることも、農村が関わっていたこともあるでしょう。
また盆踊りをする時期は、旧暦の7月15日ですが、
この時は満月であり、踊るのに適していました。
そして15日の晩に行われるのは祖先の霊を供養するため、
16日は精霊送りをすることが目的です。
今でこそ理由を知らない人が多いのですが、日程などをずらさなかったことを考えると、
盆踊りに意味があるからこそ、大事に守り続けてきたのではないでしょうか。
意外と知らない盆踊りのルールやマナーをご紹介
盆踊りというと「地域差」があります。それはその地域伝統芸能や
伝わったことから、どうしても地域差がでてきます。
そのため、地域以外の踊り方で参加するのは相応しくありません。
間違っても自分の地域の踊りを持ち込んでしまわないよう気を付けましょう。
踊り方が分からない場合には、踊りの指導をする人が
櫓の上で踊っているので、それを手本にします。
櫓がない時には、一番内側の輪の中にいることが多く、それも分からない場合には
「上手だな」と思った人後ろで真似しつつ踊ります。
櫓の上で踊りたい場合には、見本になれることが条件。
その服装も浴衣・白足袋・草履を着用しています。
自分も盆踊りの輪に参加したいときにはできれば
浴衣などの衣装の方が好ましいでしょう。
そして勝手に櫓にあがってはいけません。
人に頼まれたり許可された場合のみで、勝手にあがることはご法度です。
まとめ
日本の歴史ある盆踊り、本来は先祖供養のためなど神聖なものでしたね。
しかし今は踊る人も全体的に少なくなっているとか。
確かに、誰も踊っていなければ恥ずかしくて参加しづらいですね。
また踊るよりも美味しいもの食べたり友達と遊んだり、
そういった自分中心の行動になりがちです。
しかし本来の意味も含め、私たちの先祖やこの自然に感謝する意味でも
盆踊りの神聖さと畏怖の念をこめて、自分中心の楽しみでなく、
踊るという選択肢を選べると素晴らしですね。
今年の盆踊り、ぜひ参加してみてはどうでしょうか。
これからも日本の古き意味ある伝統として、若い人が継承していきたいものです。