子どもの日の鯉のぼりの歌は?と聞かれたら、
誰でも簡単に歌えるかと思います。
しかし、その歌詞をまじまじと読んだことはあるでしょうか?
また、こいのぼりの歌の歌詞の意味を考えたことはあるでしょうか?
今回は、こいのぼりの歌についてご紹介いたします。
子供の日に歌う鯉のぼりの歌詞をご紹介。
皆さんが良く知っているこいのぼりの歌は、
最近は付け足されているため、昔には知らなかった
という歌詞もあるかもしれません。
もともとは1番のみの歌で、1931年に生まれた歌です。
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
やねよりたかい こいのぼり
おおきいひごいは おかあさん
ちいさいまごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
みどりの風に さそわれて
ひらひらはためく ふきながし
くるくるまわる かざぐるま
おもしろそうに およいでる
5がつのかぜに こいのぼり
めだまをピカピカ ひからせて
おびれをくるくる おどらせて
あかるいそらを およいでる】
もう一つ、こいのぼりの歌がありますが、
文部省唱歌でもある、こいのぼりもあります。
実は、先ほどの「こいのぼり」より早くに歌われていたのは
こちらの「こいのぼり」です。
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり】
これだけ読むと難しく感じますね。
1913年に刊行された尋常小学唱歌にて初めて載ったこの歌は、
文語調のため現代には馴染はないかもしれませんが、
こちらの言葉を現代語に訳したものが下記になります。
現代語訳
まるで波が重なるような 空の景色の中ほどを
橘の花の香り立つ 朝の風をうけて
高くに泳いでいるのは こいのぼり
おおきく開いたその口は
船をも飲み込んでしまいそう
ゆったりと大きくふるう尾びれには
物に動じない雄大さがある
鯉が百の滝を登ったら
竜になった
そんな私のように似て育てよ、男子。と
空に踊る鯉のぼりが言っている】
子どもの日に歌う鯉のぼりの歌詞の意味は?
良く知っている「屋根よりたかい・・・」の方の歌詞は、
主にこいのぼりの風景を歌っています。
風になびくこいのぼりの様子がわかりやすく描かれていて、
子どもの日の楽しい雰囲気が伝わります。
ここに付け足された2番以降では、
お父さんだけでなくお母さんも出てきます。
分かりやすく子ども向けでありながらも、
日本の伝統をさりげなく伝えているところがいいですね。
もうひとつのこいのぼりでは、まさにこいのぼりの由来となった
鯉が滝をのぼり、竜門をくぐり竜になった伝説から派生しています。
男の子が大きく、そしてたくましく育って行ってほしいという
願いを感じられる歌詞です。
1番では空などの広さから「男の心の広さ」を。
2番では「何事にも動じない果敢な男らしさ」を。
3番では伝説にちなんで、こいのぼりが「私のように艱難も乗り越え
竜になったように強く育てよ」ということを伝えてきています。
このように、こいのぼりの歌詞には随所に男子の健やかな成長を
願う気持ちが歌われています。
子供の日に歌う鯉のぼりの動画をご紹介。
実際どのような歌なのか、動画で聞くとよりよくわかりますね。
まずはいつも聞くこいのぼり。
こちらが唱歌のこいのぼりです。
聞いたら「あ、知っている!」と思うかもしれませんね。
まとめ
こいのぼりの季節に聞く歌も、何も考えずに
歌っていたかもしれませんが、意味を考えると
なかなか深いなと感じますね。
また時代に合わせて歌詞が付け加えられたこいのぼりも、
情景豊かな歌詞で、まさに子どものためを思って作られ
たんだなと感じます。
そういったことからも、この歌をつくった人たちが
子どもが喜ぶ顔を想像して書かれたんだろうなと思うと
愛情を感じますね。
今年の子どもの日には、ぜひ子供たちと一緒に歌ってみてくださいね。