5月にはゴールデンウィークがありますが、
終わった後にはすぐに母の日が待っています。
出かけた時には、様々なところで母の日の商品を見ますよね。
母の日だと分かっていても、これまで恥ずかしくて
なかなか感謝の思いを伝えられなかったり、
プレゼントをいまさら渡すのもな・・・
なんて思う人も、まずは「なぜ母の日が始まったのか」
「どうしてカーネーションなのか」を知ってみてはいかがでしょうか。
母の日の由来は複数ある?
母の日のはじまりにはいくつか説があります。
一番古い説は、古代ローマ時代に、神々の母リーアに感謝をし
たたえるために春祭りを行ったことが始まりという説です。
この時には5月ではなく3月15日に行われており、時期もかなり違います。
中世では17世紀、イギリスではイースターの40日前の日曜日を
「Mothering sunday」と呼び、遠く離れて奉公をしている子供が
家に帰り、母と過ごすことができる日として、母親に親孝行できる
ようにと設定されていました。
こちらも5月というわけではありません。もし現在もイースター前の
40日とした場合には、2016年のイースターは3月25日から
3月28日なので2月14日ということになります。
日本が母の日としての影響を受けているのはアメリカからで、20世紀初期に
アンナ・ジャーヴィスという女性が、自分を苦労しながら育ててくれた母の
墓前に、追悼の意としてフィラデルフィアの教会で「亡き母を偲ぶ」意味のある
白いカーネーションをたくさん手向けたことから始まります。
この行動に参列者が感動し、母を想い覚える日の大切さを彼女の母の
3回忌にあたる5月8日を母の日として国中で祝うことを提案すると、
翌年の5月10日には彼女の勤務先の生徒470人とその母親が集まり
母の日を祝いました。
このことから更に全米へとひろがり、母の日を休日とする動きが起こると
1914年のアメリカ会議で、5月の第2日曜日を母の日として制定する
ことになりました。
ここから日本やその他の世界にも「母の日」が広まりました。
日本では明治末期頃から母の日が行われるようになりましたが、
その頃は皇后様の誕生日である3月6日に行われていました。
その後、1915年にアレクサンダー女史(青山学院教授)により
キリスト教関係の人たちを中心に「母の日」を広めましたが、
その頃はまだ5月ではありませんでした。
のちに今も多くの人に愛されるお菓子を作る森永製菓が、
1937年に告知をしたことで全国的に認識され
その12年後の1949年頃から、アメリカにならって
5月の第2日曜日が母の日とされました。
母の日にカーネーションを贈る意味もご紹介。
母の日に贈られるカーネーションですが、カーネーションはなでしこ科、
属名をdianthis(ディアンツス)と言います。
このディアンツスは、ギリシャ語のdios(神)+anthos(花)
という言葉の由来があります。
キリスト教では、十字架にかかるキリストを見届けた
聖母マリアが流した涙のあとに、キリストの復活の際に
カーネーションが咲いたという逸話があります。
これらからも神々の母リーア、そして聖母マリアの「母」という
キーワードが潜在的にも深くかかわっているように思います。
母の日の由来にあったアンナ・ジャーヴィスの亡き母へささげた
白いカーネーションから、母が亡くなっている場合には白い
カーネーションを。健在している場合には赤いカーネーションを
自分の胸につけるようになりました。
ここから、母へカーネーションを贈るという風習へと変わっていきます。
日本でも当初は赤と白で区別していたものの、そのことで傷つく子供や、
養母の場合の配慮として色で分けることなく「赤いカーネーション」で
統一されるようになりました。
まとめ
母の日には様々な由来がありますが、母を想う気持ちの強さには
一国の休日の制定までをも決める力があることに驚きです。
しかしながら、やはり子供時代も大人になってからも、
母という存在の大きさを感じる人は多いことでしょう。
子供をもってみて初めて分かる母の気持ち、大変さ、ありがたさ。
そういったものに対しても「ありがとう」の気持ちを
伝えることはとても大切なことです。
なかなか「母親」という仕事は休むことができず、疲れていたり
イライラしている母を見てきた人もいることでしょう。
だからこそ、母親を労う日には、恥ずかしい気持ちを置いて、
素直に感謝の気持ちを伝えてみてくださいね。