一般に喘息は空気の通り道である気道が炎症を起こし、
空気が通りにくくなる事で呼吸困難になり、呼吸をしようとすると
「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」といった音(「喘鳴(ぜんめい)」という)
が出たりします。
突然、息が苦しくなったり咳が繰り返したりと
大変に苦しい症状となります。
時間を問わず発症するので、夜でも気を抜く事が
出来ず睡眠の妨げにもなります。
お子さんに多い症状ですが大人にも発症し、
最近の調査では400万人もの患者さんがいるとされています。
喘息の原因として考えられているのは、ハウスダストやダニなどの
いわゆるアレルゲン物質、タバコの煙や排気ガスなどの刺激、過労・
ストレス、過度の運動、そして気候の変化などです。
特に、気候が変化する梅雨どきは喘息の症状を訴える人が
増える傾向にあります。梅雨どきの喘息について、その対策を
子どもさんに限らず大人まで含めてご紹介しましょう。
梅雨に喘息が悪化する原因は?
梅雨に喘息が悪化する原因として、気圧の変化が挙げられています。
喘息は気道の炎症とそれに伴う気道の狭まりが原因ですから、
気圧の変化が気道に悪影響を及ぼすのです。
加えて梅雨の季節は何かと体調を崩しがちなので、普段は何ともない
アレルゲンに対して身体が敏感に反応してしまいます。
梅雨の季節こそ体調管理が喘息対策には重要です。
また、梅雨は湿気の多い季節です。湿気を好む黴やダニが発生し、
これがアレルゲン物質となって喘息を引き起こします。
締め切った室内ではエアコンや除湿器を効果的に使って
湿度を60%以下に保つ事で黴やダニの発生を抑える事が出来ます。
梅雨の晴れ間には、部屋の換気をしてきれいな空気と
入れ換える事も簡単な方法です。
最近のマンションや戸建て住宅には24時間稼働の換気扇も
あるようですが、換気扇の性能では限界もあるので、やはり
晴れた日の窓全開にはかないません。
梅雨に悪化する喘息対策を大人と子どもに分けてご紹介。
子どもに多い喘息ですが、梅雨時期の喘息対策には
どんなものがあるのでしょうか。
喘息発作の誘発原因のひとつ、気圧の変化など
気候要素は人間の力ではどうしようもありません。
湿度により多くなったアレルゲン物質の量を少なくするか、
湿度を除湿器などで下げる位しか出来ません。
アレルゲン物質を減少させる方法として、空気清浄器の使用があります。
最近の空気清浄機には除湿機能や加湿機能も付いているので
梅雨時期以外にも使えるので便利な家電製品です。
家電以外にアレルゲン物質を減少させる方法に、
家具を変える方法があります。
カーペットや絨毯はダニが寄生しやすいため、梅雨の季節だけ
フローリングに戻したり、ソファーカバーを変えるなどしたりして
黴やダニの発生を防ぎましょう。
大人の喘息の場合、ある程度自身でコントロール出来る部分があります。
マスクで気管・呼吸器を守る、タバコを控える、生活習慣を整えて
ストレスをためない、適度な運動を心がけるなどの方法があります。
一見、運動は呼吸器に負担をかけるため喘息には
良くないように思えますが、適度な運動は身体の心肺機能を
高め基礎体力がアップして喘息の発作が起きにくい身体になります。
マスクや運動などどれも基本的な方法ですが、喘息は人によって
重度や原因(アレルゲン物質への反応)が異なるので、対処方法には
自己判断だけでなく、担当医のアドバイスも受けて下さい。
まとめ
梅雨の喘息対策をいくつかご紹介しました。
たくさんの患者さんがいる喘息ですが、その原因について
全てが解明されているわけではありません。
一部のアレルゲン物質が原因であったりする事は分かりましたが、
いつ新しいアレルゲン物質が現れるか分かりません。
生活環境を清潔にし、生活習慣を整えて
普段から自分の健康に気を遣いましょう。